今回の正月休みは､なぜかいつもより早めの12月26日から始まった。帰省ラッシュにはまだはやい､今年こそ行けるかもしれない・・・　そういう考えが頭の中をよぎった。
今まで北海道には10回以上行っているが､そのすべてがゴールデンウイークか夏休みである。正月休みは交通機関､宿泊先ともに早めの予約が必要で､いつも行き当たりばったりの自分にはどうしても冬の北海道は遠い存在だった。
とりあえず､北海道に飛んでしまおう､と決断したのは12月28日の朝。インターネットで札幌行き全日空065便を予約する。こうしてしまえば､もう行かないわけにはいかないわけで・・・

さっそく東京国際空港に向かい､14:00発の全日空065便の搭乗案内を待つ。例によって札幌に到着してからのことは､あまり考えていない。ただ､思いっきり冬を感じたく､その場所としてなぜだか釧路湿原の雪景色が頭の中に浮かんでいた。(後で聞いた話であるが､釧路は寒いだけで雪はあまり降らないらしい)

札幌はにぎやかな街である。大通公園では､ホワイトイルミネーションというイベントの真っ盛りで､まさしく星の数ほどのイルミネーションが､過ぎさったクリスマスに気分を引き戻してくれる。
このイベントは､今回18回目を数え､イルミネーションの数が年々増加しているそうである。

このイルミネーションの洪水のもとでは､テレビ塔のライトアップも地味に見えてしまう。

北の街からいよいよ北の冬を味わうために､釧路に向かうことにした。
札幌から釧路までは特急を使っても約5時間かかる。ここは手っ取り早く飛行機で移動しよう。
札幌(丘珠)〜釧路間はYS-11で約1時間である。ANK833便の窓側の席をとり､北海道横断を楽しんだ。
ただ､すぐ横でプロペラがすごい勢いで回っているのは､どうも落ちつかないものだ。

釧路はとにかく寒い。半端じゃなく寒い。到着時の気温は昼間なのにマイナス10度。しかし､札幌に比べて雪がほとんどない。歩きやすいだけ助かるが､油断をするとキーンと凍った水たまりを踏み､危ない目に遭う。
幣舞橋の夜景が､この寒さの中で透きとおるほど輝いて見えた。

(写真をクリックすると大きな写真を見ることができます)

12月30日､いよいよ釧路湿原に向かう。釧路､網走間を結ぶ釧網本線(ワンマン1両編成)で糖路駅で下車。
国道沿いを1.5kmほど歩くと､サルボ展望台への登山遊歩道の入り口がある。そこからは山道である。積雪は少ないものの､遊歩道はすっかり雪に包まれており､歩きづらい。

息を切らせながら､展望台に到着。ここから釧路湿原のごく一部が一望できる(あまりに広いので､全部が一望できるところはない!!)。
さきほど歩いてきた国道がまっすぐのびており､その両側に凍りつき､雪の積もった湖(沼?)が広がっている(右側は塘路湖)。
広々とした景色をぼんやりと眺めていたいものであるが､とにかく寒くてじっとしていられず､早々に引き上げることにした。
このサルボ展望台からさらに北に進むと､湿原の中に作られた木道を通って､次の茅沼駅まで歩いて行ける。しかしあいにく通行止めとのこと。やむを得ず糖路駅に引き返すことにした。

(写真をクリックすると大きな写真を見ることができます)

糖路駅に戻ったのはよいのだが､釧路行き列車はあと2時間たたないとこない・・・
駅構内に喫茶店があり､そこでコーヒーをいただきながらマスターに丹頂鶴のことを訪ねた。すると､次の茅沼駅では見ることができるかもしれないとのこと。さらに､これから来る列車で茅沼駅に行っても､次の釧路行きには間に合うという。
ここまで来て丹頂鶴を見ないで帰ったのでは､後々後悔しそうだ。決断は容易に下された。

糖路駅から茅沼駅までは約7分。湿原のまっただ中を走る。途中､乗務員の方が丹頂鶴を見つけて教えてくれた。白い雪の中であまり目立たないのだが､よく見ると結構たくさんいる。
さっそく次の茅沼駅で降りた。

線路の向こうに､2羽の丹頂鶴がいた。残念ながら､これ以上近づくことができない。
双眼鏡を持ってくるのだったと､悔やんだがとりあえず､写真を撮りまくった。そんな中でこの写真が一番大きく撮れているもの。
とにかくこれで､｢丹頂鶴に出会う｣という､いつから決まった目標だかわからない目標を達成することができた。

(写真をクリックすると大きな写真を見ることができます)

どこに写っているのかわからない方のために､思いっきりズームアップしましょう。やっぱりわからない？

実をいうと､本当は小樽に行って運河の雪景色も見るつもりだったのですが､履いていった靴が雪道で大変よく滑り､坂の多い南小樽駅の周辺10m程度の範囲を歩いただけで身の危険を感じ､引き返してしまったのです。
そのかわりに､釧路に行って丹頂鶴を見ることができたので､まあよかったかなと思いますが､あいかわらず無計画な旅で､無駄時間が多いなと実感した今回の旅でした。
ちなみに靴は札幌で買いました。この時期､この辺では滑りどめのついた靴はあたりまえだそうで・・・

(写真はすべて､SANYO DSC-X100を用いて撮影したものです。すべての写真の著作権は､kinacco が所有しています。)

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